「この街には人魚が人に紛れて暮らしている」
そんな都市伝説が流れる街では、今日も当たり前のように人々が生きていく
病室の少女、売れっ子歌手、夢を追い続ける学生たち、息苦しい青年
ここはいろんな命が溢れる場所
うちよそ血縁関係がいます！
片想いしてる人がいます！
恋人さん（あるいはそれに近い関係）がいます！雨花 -amehana-
幼馴染四人組の音楽ユニット。
顔出しライブなどはせず、動画サイトに曲を投稿するなど、ネットだけで活動している。
ネット上では「謎のアーティスト」として噂されている。投稿曲は少ないものの、クオリティの高さからファンは多く
正体を掴むために動いている者もいるほど。
常盤 陽花
人魚の血を引く少女。父親の経営する病院に入院している。双子の弟に氷雨がいる。明るくて純粋な性格で、絵を描くことが好き。「雨花」結成のきっかけとなった人物。「深刻だけど治る病気」で自分は入院していると思っているが……。
常盤 氷雨
人魚の血を引く青年。陽花の双子の弟。「雨降ヒナ」として活動している国民的な人気を誇る歌手。「雨花」では作詞と歌唱を担当。性格も良く、成績優秀な完璧超人の優等生。病弱な姉を心配しすぎる傾向がある。ザクロとは知り合いで、彼の事が苦手。漠然とした嫌悪感を覚えているようで…
白菊 花月
絵本作家を目指す少女。思わず守ってあげたくなるような雰囲気があり、クラスのマドンナ的存在。控えめな優しい性格だがいわゆるオタク脳で、いろんな恋愛話を聞いて空想するのが好き。雑食らしく同人誌を買い込んでいる。「雨花」では作画担当。
小花 七星
物語音楽を作るのが得意な若き作曲家。「雨花」のリーダーとして他の三人をまとめている。「雨花」では作曲を動画編集を担当している。あまり喋らないが、幼馴染の事を強く想っている。幼馴染四人に何かあるとすぐに感情的になってしまう。
雛白の一族
白銀の鱗を持つ人魚の血を引く名家の一族。
たまに鱗を持つ子が生まれてくる。次期当主争いで最近はぎすぎすしているらしい。
分家筋の常盤の一族の仲は良好。鱗持ちの存在を忌避する存在が少数であるが存在する。昔は鱗を持つ子を海に還すという因習があった。現在はその因習は廃れている。
雛白 魅佳
ある大手企業の若き社長。海花たち兄妹たちは親戚関係。次期当主として注目されている。性格も身なりも飄々とした若者で、社長と名乗っても信じてもらえないことが多い。社長に就任するだけのことはあり、能力は優秀。たまに虚ろな瞳をしながら街を見ていることがあるようだが……。
雛白 新火
探偵をしている青年。魅佳の双子の弟だが本人は不服な様子。「めんどうくさい」が口癖だがやることはきっちりとやる真面目な性格。声は兄と全く同じだが、顔は新火の方が整っている。幼少期から共に居たのもあり、魅佳の理解者であるが故に兄を忌み嫌っているが、同時に愛情も感じていることは認めてはいる。
氷川 海花
嫁いで現在は姓が変わっている。「鱗」が発現している一族の一人。身体が弱く、幼少期は学校にも行かせてもらえなかった。現在はフラワーアーティストとして活躍中。上に兄、下に妹二人がいる。年相応ではない幼さが目立つが、素は世話焼きで愛情深い女性。
雛白 海雨
海花の妹。双子の妹に海波がいる。学生芸術家であり「空」を専門にしている。拘りが強く、基本的に絵について以外のことには関心がない。家族のことは大切に想っているが、実兄である深玖のことは蛇蝎の如く嫌っている。
雛白 海波
海花の妹。双子の姉に海雨がいる。人当たりがよく、誰とでも仲良くなれるおっとりとした女の子。どこにでもいるような女の子で、何かしら秀でた才能のある家族にコンプレックスを持ち、劣等感を抱いている。氷雨たちとは同級生。
常盤の一族
雛白の一族の分家筋。
人魚の美貌を引き継いだものが多く、総じて容姿端麗である。芸術の才に恵まれた者が多い。
分家筋であるため、当主争いに巻き込まれることはほぼなく、財力も一般家庭程度である家がほとんどである。
常盤 春花
陽花と氷雨の父親。大病院の院長であり、元歌手の妻がいる。無口で不器用で、厳格な人物だと勘違いされがち。家族との時間はあまり取れないが、家族の事は心から愛している。陽花の身体について嘆いており 何か手を打たなければいけないと考えている。
常盤 小羽
春花の夫で陽花と氷雨の母親。明るくて胆が据わっている。心から子供たちと夫を愛しており、夫の帰りを待ち続けている。春花に「おかえり」という瞬間が一番好きらしい。旧姓は「花詰」で、小柴と光咲の年の離れた姉でもある。
常盤 彩禍
人形師である青年。陽花と氷雨の叔父でもある。優秀な年の離れた兄である春花に劣等感を抱いている。気まぐれでマイペースな性格。自分が無性愛者かつ人形偏愛症であることを自覚しており、ある日を境に完璧な人形を作り出すために人形を作り続けている。血肉や皮膚に気持ち悪さを抱いている。
常盤 彩花
彩禍の妹。下に年子の妹がいる。超人気スーパーモデルであると同時に一児の母で、婿入りしてきた夫とはおしどり夫婦として評判。 兄である彩禍の一番の理解者でもある。快活な性格で、夫と娘自慢をさせるとなかなか止まらない。現在はモデルの仕事は育児を理由にお休み中。
常盤 琲珈
彩禍と彩花の妹。バリスタとしてある珈琲店で働いている。コーヒーはブラック派で、砂糖は邪道だと思っている。几帳面な性格で掃除好き。元々は医者を目指し、医学部まで入ったが、学力が追いつかずに諦めた過去がある。
壱拾五屋百紅
春花たちの家とは別の家の生まれ。人魚の血は極端に薄くなり、ほぼ人間。嫁いで現在は姓が変わっている。ピアニストであり、著名なピアノコンクールで優勝するぐらいの実力者。淑やかな女性だが、幼少期はやんちゃで男の子に喧嘩を吹っ掛けるような少女だった。たまにその時の茶目っ気が出てくる。
常盤 九輪
ある大富豪の資産家の娘。百紅の姪。行動力があり、両親の反対を振り切ってそのまま旅に出た。現在は様々な土地に移り住みながら暮らしている。青い瞳はカラコン。両親とはたまに連絡を取っている。海が好きで、砂浜を歩くと気持ちが落ち着く。
この街で暮らしていたり、あるいは街の外で暮らしている人たち。
花詰 小柴
アナウンサー。ネガティブで内向的。陽花と氷雨の叔母にあたる女性。年の離れた姉の小羽と、双子の妹の光咲にコンプレックスを持ち、自己評価が低い。根は誠実で優しく、気配り上手。
花詰 光咲
売れっ子舞台役者。ポジティブで外交的。少しわがままなところがある。ノリがよく友達も多い人気者。小柴のことを「小柴ちゃん」と呼び、双子の姉として懐いている。「双子」というもの執着しているようだが……。
ヴィアタ
フルネームは「フルートゥレ＝ヴィアタ」。海外からの留学生。昆虫学者を目指している少女。蝶をはじめをした虫が好きで、虫の話になると話が止まらない。少しズレたカルチャー知識を身に着けている。美少女だがクラスでは少し浮いている。
海祈 逢璃
パティシエで自分の店を持っている女性。花月の親戚で、花月を妹のようにかわいがっている。社交的で友人も多い。国籍が違う幼馴染がおり、その幼馴染にゾッコン。幼馴染の一番は自分だと信じて疑っていない。
石英 漆
占い師の女性。お菓子教室の先生としても働いている。最近はSNSで自作のレシピを公開したりしてちょっとしたインスタグラマーとして有名。独特の世界観を持っており、いつも夢を見ていると思っているため、夢と現実が文字通り区別がついていない。目が冴えるほど死への意識に近づいていくらしい。
姫金魚アナ
山岳救助隊の女性。現在は山登りのアドバイザーとして活動している。とにかくアウトドアな性格で、なかなかじっとしていられない。女性扱いされることを嫌がる。登山家の兄が一人おり、小さい頃はいじめられっ子だった彼を庇っていた。
夜の後に
人気につかない洋裁屋の店主の青年は、今日も孤独に身を委ねたまま服を作る。
心に深い傷を抱えたまま生きてきた彼は、全てを拒絶し続ける。
呼吸が死んだ夜で、肺に詰めながら青年は動き出す。
知るべき自分の正体も闇に置き去りにしたまま。
ザクロ
洋裁屋を営んでいる青年。並外れた美貌を持つが、人と関わることなく一人でいることを好む。厭世的な物言いで人を突き放すような素振りを見せるが、良くも悪くも正直で素直な性格。甘いものが好き。昼の間は眠り、陽が落ちてから活動を開始する。
千歳 珠沙
日本舞踊家をしている青年。大学にも通っている。ザクロよりも年下。無機質な印象を持ち、全く表情が動かないために不気味がられる。食べることがとにかく好き。舞踊には真剣に取り組んでおり、休みの時は食べる事と踊る事ばかり考えている。
雛白 深玖
森の奥の大きな屋敷で暮らしている男性。資産家でありながら医者業を行っており、金銭的な余裕のない人に格安で診察している。穏やかで礼儀正しい人物だが、無邪気であると同時に昏い雰囲気がある青年。事情があり現在は実家から勘当されている。
？？？
ザクロの夢にしか出てこない謎の人物。ザクロと同じ顔をしている。ある夢を境に全く現れなくなった。ザクロはこの人物が出てくる夢の事を覚えていない。